胃・十二指腸の疾患②
胃・十二指腸の疾患②

「検査で『異常なし』と言われたのに、胃が痛い・重い」
機能性ディスペプシア(Functional Dyspepsia: FD)は、内視鏡検査などで胃がんや胃潰瘍といった明らかな目に見える病変が認められないにもかかわらず、胃もたれやみぞおちの痛みなどの慢性的な不調が続く状態を指します。日本の成人の約10〜20%にみられると言われる、非常に身近な病気です。「胃カメラではきれいですね」と言われたのに、胃もたれや痛みが何ヶ月も続いている……それは「気のせい」ではなく、機能性ディスペプシアの可能性があります。
主な原因として、以下の4つのメカニズムが考えられています。
通常、食べ物が胃に入ると、胃の上部が広がって貯留できるようになります。この広がりが不十分だと、早期膨満感(すぐにお腹がいっぱいになる感じ)が生じます。
胃の内容物を十二指腸へ送り出す動きが弱まると、食べたものがいつまでも胃に残り、胃もたれを感じやすくなります。
胃の神経が過敏になり、通常の胃酸の分泌や少量の食事刺激に対しても、痛みや灼熱感(熱くなる感じ)を強く感じてしまいます。
不規則な生活、過労、精神的ストレスなど脳に負担がかかることで胃の排出能が低下することが知られています。
以下の症状を伴う場合があります。
胃もたれ
食後に胃が重く感じる
早期膨満感
食事の開始後、すぐにお腹がいっぱいで食べられなくなる
みぞおちの痛み(心窩部痛)
みぞおち付近に痛みがある
みぞおちの灼熱感
みぞおち付近が焼けるような感じがする
この診断で最も重要なのは、「隠れている胃がんを見逃さないこと」です。まずは内視鏡検査で重大な病気がないことを確実に確認した上で、患者様の生活スタイルに合わせたお薬の処方や、ストレスケアのアドバイスを行います。
「ポリープ=がん、とは限りません。まずは正体を見極めます」
健康診断でよく見つかる「胃の突起物」です。大腸ポリープとは異なり、胃のポリープの多くは良性で、必ずしも切除が必要なわけではありません。ただし、中にはがん化するリスクがあるタイプも存在します。
ピロリ菌がいない「きれいな胃」にできることが多く、がん化のリスクはほぼありません。
過形成性ポリープ
ピロリ菌感染による炎症がある胃に生じやすいポリープです。大きくなると出血して貧血の原因になったり、数%の確率でがん化したりすることがあるため、大きさに応じて切除も必要となります。
腺腫性ポリープ(胃腺腫)
萎縮が進んだ胃粘膜に見られます。がん化するリスクが一定程度ある「前がん病変」とみなされるため、慎重な対応が必要です。
内視鏡検査でポリープの「顔つき」を観察し、将来がんになるリスクがあるかどうかを判断します。 必要であればその場で組織を採取(生検)し、顕微鏡で詳しく調べます。「様子を見ていいのか、治療が必要なのか」を明確にお伝えします。
「初期症状は『無症状』です。症状が出る前に見つけることが全てです」
胃がんは、日本人がかかるがんの中でも依然として多い病気ですが、早期に見つかれば、お腹を切らずに内視鏡で治せる時代になっています。
胃がんの発生には、Helicobacter pylori(ピロリ菌)による慢性的な胃粘膜の炎症が強く関連していることが判明しています。ピロリ菌感染によって萎縮性胃炎が進んだ胃は、がんが発生しやすい状態になっています。除菌治療によってリスクを下げることは可能ですが、除菌後であってもリスクはゼロにはならないため、定期的なチェックが必要です。
初期症状
自覚症状が乏しく、無症状のことがほとんどです。
進行期の症状
胃の痛み、食欲不振、体重減少、黒い便(出血)が出現します。「痛くなってきた」と感じた時には、すでに進行しているケースが多くあります。
当院の内視鏡システムは、特殊な光(BLI、LCI)を用いて、通常光では見えにくい数ミリ単位の微細な早期がんを発見することに注力しています。 「症状がないから大丈夫」ではなく、「症状がないうちに検査を受ける」ことが、胃がんから命を守る鍵となります。
胃の不調は、私たちの生活の質(QOL)に直結します。また、胃がんのように初期には無症状でありながら、進行すると重篤な結果を招く疾患も存在します。胃やみぞおちの不快感、痛み、食欲不振などの症状が続く場合や、症状を繰り返す場合には、早めに当院へご相談ください。
当院では、患者様がリラックスして検査を受けられる体制を整え、質の高い診断を提供しております。「いつもの胃もたれだから」と自己判断せず、健康な未来のために一度内視鏡検査をご検討ください。
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